西田利の日記

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一個都不能少 (どの一人も減らすことはできない)

 「あの子を探して」のビデオを見かえした。


 1ヶ月のあいだ代用教員を勤めれば750円やる、と言う村長の言葉に釣られて、誰も行きたがらない山村の小学校に、13歳の女の子は遠い村から来た。母親の看病のために休暇をとる学校にたった一人の老教師は引継ぎのときに「貧しさのために、生徒がどんどん学校を辞めてゆく。一ヶ月で一人も減らさなかったら、私からあと150円やるよ」と言う。150円のボーナスをもらうためには、一人も減らすことはできない。


 登場人物はみな善い人だが力が足りない。善い目的を持って努力するが、手段はいつも間違っている。先生も生徒も子供だ。実はこの映画の主要キャストたちは全員が脇役にすぎない。主役は、彼らを無視し、冷笑し、慰め、援助した世間というものだ。この映画を見ると、13歳の山奥の代用教員が大都市で出会う大勢の人たちの中に自分自身を見つけることができる。キャストが映画の中でどう生きるかではなく、映画を見た人が現実をどう生きるかを問うてくる。なぜ学校から生徒を一人も減らしてはならないか? 150円をもらうためではない、とこの映画は丁寧に証明している。